6回目。完結編である。
- その拳は500ケロ – GBSaGa1パンチやりこみpart1
- ギルドにお届けるするものは死体 – GBSaGa1パンチやりこみpart2
- パンチが塔を駆け登る – GBSaGa1パンチやりこみpart3
- パンチが塔を制圧する – GBSaGa1パンチやりこみpart4
- パンチで神を殺せ – GBSaGa1パンチやりこみpart5
さて、前回はHPが足りず、どうやっても倒せなかった。HPを上げる必用があるのだが、SaGa1で人間がHPを上げるためにはアイテムを使う必要がある。HPアップのために使用するアイテムは以下のものがある。
- HP200
- HP400
- HP600
以上だ。大変完結でわかりやすい。それぞれ、HP200まで、HP400まで、HP600までは使うごとに一度に10程度上がるが、それを超えると1しか上がらなくなる。つまり、600以降は必ず1しか上がらない。しかしながら1ずつは上げられる。HPは999まで上げることができるのである。(あくまでも表示上999というだけで実際には上がっているのだが、今回のプレイにおいては基本的に999までしか上げないものとする。手が滑った場合は除く)
値段は当然HP600が一番高く、HP200は1つ100ケロで買えるため、HPを600以上に上げるためにはHP200を使うことになる。1つ100ケロなので、大した金額ではない。しかし、使う数はとてつもない数になる。現時点でのHPは全員600程度しかないので、1人につき400回使うものと仮定すると、1600個HP200を買い、各メンバーに使っていく必要がある。
エミュレータなどであれば簡単にサクッと終わるのかもしれないが、これは実機である。自分でポチポチアイテムを使っていくしか無い。買うときに間違ってちからのもとを買ってしまったりする。使おうとするときに既に999のキャラに使ってしまったりする。やばいと思ったが、手が滑るのを抑えられなかった。
この作業。単純に使うだけならば何も面白く無いのだが、やっていくうちに段々楽しくなってくる。単純作業というのは短い時間で集中してやる分には楽しい。他の考え事などを頭の隅に追いやって、ただただひたすらにHP200を買い、使う。カチャッ。カタカタ。カチャカチャッ(1回買う。以降8回繰り返し)。スチャッ。カタカチャッ。カチャカチャッカチャッ(ピュイッ)。カタカチャカチャッカチャッ(ピュイッ)。カタカタカチャカチャッカチャッ(ピュイッ)(1人目の場合。以降カタの数が7回まで増加し、最初に戻る)。カチャはAボタン、カタは十字キー、スチャはスタートボタンの音になる。
慣れてくる頃には、音まで消して、黙々と繰り返していた。こういう単純作業は、日々の辛いことが頭から離れないときなどに効果的だ(カタカタカチャ)。仕事でうまくいかなくて、何であの時あんなことしてしまったんだろうとか(カチャカチャッ)、一旦忘れて明日考えよう!と思ったことが頭をグルグルと回っていたりする日もあるだろう(カチャッ(ピュイッ))。そういう時に(カタカチャ)、この行為は(カチャ!カチャ!カチャッ!(間違えた))、有効なのだ(呆然としながら間違って買ったすばやさのもとを売り払う)。
カチャカチャうるさいのでやめよう。
単純作業は思考が止まりやすいが、逆に止めたいときには役に立つ。頭がスッキリする。何度もできそうな感じすらしてくる。また気持ちも良くなってくる。気分が高揚してくる。自分が何をやっているのかわからなくなってくる。次第に手の感覚がおかしくなってくる。一体俺は何をやっているんだ。そう思っていても手が止まらない。目が離せない。トイレに行きたくなってももう少し!もう少し!と続けてしまう。恐るべき吸引力。吸引力の変わらないただひとつのHP200。我慢せずにトイレは行こう。
お金はアイテムを売り払って(一度にHP200を使える数を増やすための措置でもあるが)、12万ケロ手に入れた。1個100ケロなので、十分足りるかのように思われるかもしれないが、使う数は1600個であり、最終的には微妙に足りなくなってしまった。真の塔で数回戦闘するだけで4万ケロ以上手に入ったので問題はなかったが。
さて、そうした長い長い準備により、HPは全員999になった。
後は神を殺すだけ!
だが私は油断をし切っていた。確かに戦うための準備は万全だ。パンチ0はあるし、パンチは相当数ある。めぐすりも装備している。ご飯も食べて、風呂に入ってさっぱりした。心の準備もOK。真の塔を全て登って、最後の一方通行の部分を、背景が切り替わる度にセーブして、そして神のいる戻れない部屋の扉の前に立って、セーブして、電源を切って、一息ついて。
しばらくして、私は気づくのである。この先に行ったら戻れないのではない。既に戻れないのだと。
手前の階段はエスカレータ。逆方向に走ることはできない。後戻りなどできない。過ぎ去っていった日々はもう戻ってこない。
これもいきもののサガか…。
意味もなくこの後に出てくる名言を先取りしてしまったが、間違ってエスカレータの手前ではなく、エスカレータの先でドアを持たずにセーブしてしまったので、もはや後戻りはできない。
とはいえ、もはや後戻りなどする必要があるだろうか?
HPは999。パンチは揃ってる。目薬もある。くいあらためよの混乱を治すためのフライパンは無いが、そもそも「混乱したら終わり」なので見る必要もない。あとやることはただひとつ。ドアの先にいる、神の面を被った「かみ」の前で、5本の指を内側に折りたたんで胸の前に出し、肘を曲げたり伸ばしたりする運動をするのだ。
さあ。
しねー!∩・ω・)三⊃)´へωへ`*)
(モ:モンド, ヘ:ヘーゼル, ピ:ピスタ, ク:クルミ, なにも:なにもしなかった, ひかり:ひかりあれ, ひだりて:かみのひだりて, みぎて:かみのみぎて。数値はダメージかHP。)
ターン | 行動1 | 行動2 | 行動3 | 行動4 | 行動5 | ダメージ計 | 累積 | パーティのHP |
1 | ク:210 | モ:210 | かみ:なにも | ピ:212 | ヘ:209 | 841 | 841 | |
2 | へ:209 | モ:207 | ク:210 | ピ:209 | かみ:なにも | 835 | 1676 | |
3 | ク:207 | モ:209 | かみ:ひかり | ピ:134 | ヘ:129 | 679 | 2355 | |
4 | ピ:めぐすり | ク:めぐすり | モ:めぐすり | かみ:ひだりて 174/210/210/205 |
ヘ:めぐすり | 0 | 2355 | 828/789/789/794 |
5 | ク:209 | モ:209 | かみ:ひだりて 158/238/181/208 |
ピ:210 | ヘ:207 | 835 | 3190 | 670/551/608/586 |
6 | モ:209 | ピ:209 | ク:212 | かみ:みぎて 238/262/261/258 |
ヘ:206 | 836 | 4026 | 432/289/347/328 |
7 | ク:206 | ピ:209 | かみ:フレア 287/319/318/315 |
モ:210 | 625 | 4651 | 145/0/29/13 | |
8 | モ:212 | ピ:212 | 424 | 5075 |
戦いは終わった。
かみはしんだ。
ここで最初に掲げた条件を記す。
- 装備する武器はパンチのみ。防具も装備しない
- 全員にんげん
- 主人公は男
- 後期版で使える裏技は使用して良い
うん。問題ない。これに加えて、HP999程度、すばやさ99程度、という条件もプラスされている。(おそらく微妙に超えているが)
パンチ1の連打は浪漫が云々という話もあるが、もうセーブしてしまって後戻りもできない現状ではどうしようもない。外面だけ1にすることはもちろん可能であるが、それは特に意味もない。あくまでも後期版で使用できない、と当時は思っていた、というだけのことだ。やりこみを達成したわけだし、言い訳など無用である。
とにかく私はやり遂げたのだ。このパンチやりこみを。SaGa2で挑戦し、不可能であった、パンチやりこみを。
最初に何人もの仲間が、お金のために消えて行った。ただただパンチを集めるだけで、あんなにも苦労していた時代があった。間の冒険は…考える必要もないくらい一瞬で終わったが、そのままのHPではイージスの盾に頼らざるをえない絶望。圧倒的強さ。そしてHPをアップさせるためにかかる手間を知ってまた絶望。
それでも諦めなかった。1歩1歩先に進んだ。いや、1歩ですらないのかもしれない。ただ、地べたに這いつくばって、手を伸ばしただけかもしれない。足を引きづっただけかもしれない。だが、希望を持って、必ず倒せると思って、進んだ。その結果がこれなのだ。
私は5本の指を内側に折りたたむ。それを彼らのように前後には動かさない。私はそれを胸の前に出し、少し下に引く。
貴方は偉大です。
他の誰もが認めないとしても(みんな認めるだろうけど)貴方は偉大です。
いえいえとんでもないです。
せめて胃大くらいです。別に大きくないですが。