「パンチやりこみ」という名前を見て、懐かしい!と思ったら、それは素敵なことだなと思う。「SaGa2荒行やりこみ」は旧名パンチやりこみであり、SaGa2では無理だったのである。パンチの攻撃力ではぼうえいシステムの「ほうだい」が全部破壊し終わるまでに修理が完了してしまうのだ。
SaGa1を買ったのは別にこのやりこみをするためではない。記憶上最後のボスをずるいやり方で倒したことしか無いというのがずっと気になっていたためである。
私はSaGa1を買い、目標を達成した。
だが、やはりそれでは満足しなかったのだ。ゲームは非常に良かった。懐かしい音楽。練りこまれたセリフ。それでも足りないものがある。手に汗握るようなワクワク感が。逃げ出したくなるほどの面倒くささが。さくさくすぎるのだ。このゲームは。もっと縛らなければならない。自分で自分を縛らなければならない。自分で締め付けて、キモチよくなるべきなのだ。楽しいゲームで楽しくなる。これはゲーマーに与えられた娯楽なのだ。
ここまで来たならやるしか無い。パンチで最後のボスまで倒す。パンチやりこみ。あの時できなかったことを今度こそ成し遂げるのだ。
パンチのやりこみなのでパンチを買わなければならない。が、ご存知だろうか。他の記事でも書いているし、タイトルにも書いてあるのでご存知だと思うが、それでもご存知ない、という方のためにここにもう1度書く。
パンチは1つ500ケロである。
人間、手に生えている5本の指を内側に折りたたんで胸の前に出し、肘を曲げたり伸ばしたりすれば、同様のことができるはずである。この世界の人間は、どうもそうではないようだ。体の作りが違うんだろうか。
この上記行動をするために500ケロを払う必要がある。回数制限もあり99回しか使えないが、これは99回も上記行動を繰り返せば確かに疲労するだろうしこれは仕方がない。お休みは取り入れるべきだ。俺にも休みをくれ。有給とは何だったのか。
500ケロというのは値段であり、ケロというのは値段の単位である。日本なら円である。この世界ではケロというだけである。1ケロあたり何円になるのか、というのは明確な定義はなく不明である。ただ、「チェーンソー」など現実の世界にもあるものも存在する。チェーンソーのゲーム内の値段は4000ケロである。日本円でチェーンソーは価格.comを見ると相当のバラつきがあるが10000円~50000円くらいに見える。多少高めに見積もると、1ケロ10円くらいと考えて良さそうだ。つまりパンチは5000円くらいと予想される。(ちなみにバズーカも4000ケロであるが、40000円でバズーカが買えるか?と思ったが、クラッカーのバズーカ砲が37,800円と書いてあったので全くの間違いではないと思う。いや、全くの間違いかもしれない。)
5000円でただ握った手を前後に動かす運動に支払うのか?と言われれば否であろう。しかし、そこには浪漫があるのだ。この武器はこのゲームの最終ボスを倒すほどの力を持っているのである。
「そんなバカな」と、このゲームをプレイした人は思うだろう。「パンチなんて全然使えない武器だったじゃないか」、と。このパンチという武器はかなり特殊な武器である。回数制限があるという話はしたが、パンチは残り回数が少なければ少ないほど強くなるという特性があるのである。つまり、使い込めば強くなる、というわけである。パンチを何度もしていれば筋肉がついて強くなることを再現しているのかもしれない。(もちろん装備から外せば強さは元に戻ってしまうので、人生の無常さをも再現しているのかもしれない。)
ある程度このゲームをプレイした人からすれば、パンチはそこそこ強い、特に序盤では強い、という意識はあると思う。特に最後の1回の攻撃力は、それまでの残り2回の約3倍の威力になることで一部の人には有名である。最後の1撃。回数を減らし、更に強くなったパンチの威力の3倍、ということで、相当強い。ボスでも数発で倒せてしまうほどの威力になる。
とはいえ、「裏ワザを使わなければかなり強い」といわれるこのゲームの最後のボスを倒せるのか?というのは当然の疑問である。そこについては今後の展開に注視していただくとして、今回は以下のようなやりこみをやってみようと思う。
- 装備する武器はパンチのみ。防具も装備しない
- 全員にんげん
- 主人公は男
- 後期版で使える裏技は使用して良い
条件1はこのやりこみそのものなので特に何も無い。防具も装備しないのは「そのほうがカッコイイから」である。
条件2はエスパーを使う、という手もあるものの、エスパー技を使わずに済むならそれに越したことはないはずで、なるべく完璧なパンチやりこみとするための条件である。
条件3は単純に失敗したので、悔しいから元からそういう条件だったことにした、というだけのことである。
条件1,2より、このやりこみの主人公はにんげんおとこ、あるいはにんげんおんなの2人が選べることになる。私はここでにんげんおとこを選んだ。しかし正解は越後製菓。選ばれたのは綾鷹で、私は古いネタを今更ながら使っているのである。本来選ぶべきはにんげんおんなである。理由は持っている装備の値段を見ると分かる。
- にんげんおとこ:ロングソード,ブロンズのこて
- にんげんおんな:サーベル,ブロンズのこて
問題はにんげんおんなのサーベルである。これを売ると1030ケロになる。この道具は主人公にした時にのみもらえるアイテムであり、ギルドで4人までパーティを増やせるのだが、後で淹れた仲間が持っているのは
- にんげんおとこ:バトルハンマー
- にんげんおんな:レイピア
となっている。
ここについてはどちらも売値は12ケロで差はない。つまり、主人公が男か女かでその後の運命が決まってしまうのである。これは大変な不平等である。にんげんおとこで始めると装備を全部売っても手に入るお金は108ケロ。にんげんおんなは1030ケロ。戦ってお金を稼げば、この程度の違いは大した問題ではないのだが、この違いはこの後にとんでもない問題を起こす。にんげんおとことして始めたばかりに…。その辺りは後述することにし、先に条件4について説明する。
条件4は裏ワザの範囲が明確な方がよいだろう思ったためである。後期版では使用出来る裏技はかなり限られる。バグ技のほとんどは前期版でしかできないことになっている。
そもそも前期版と後期版というのはなんなのか、という説明が必要かもしれない。前期版というのは、前期に作られたもので、後期版とは後期に作られたものである。当然のことで改めて書くことではない。しかし、この前期版はバグが大量にあった。入れ替え画面でBボタンを押すと人間だったキャラクタがモンスターになってしまったりするなどしていたようだ(私自身は前期版のロムを持っていないので確認できない)。アイテム無限化、能力値上昇、パンチ1連打などの裏技が可能なようだ。特にこのやりこみにおいて大事なことは『パンチ1連打はOKなのか?』という点だろう。パンチ1は先程も述べたようにかなり強い。だが、1発であるからこそ浪漫があるのだ。前期版ではなんと裏技を使えば連発できてしまうのである。これでは面白みがない。深みがない。コクがない。結局のところ前期版は所持していないのでできないのだけれど。
後期版で上記裏技が使えるのかは確認した。結果、パンチ1が連発できる状態にはならなかったが、『回数が減った状態のパンチを装備欄の上に残しておけば、その威力を維持できる』、ということが分かった。バグであれば直っているはずなので、後期版の方は「仕様」と考えらえる。そうでなければ中途半端な状態にはしなかっただろう(実際は直し忘れただけなのかもしれないが)。ちなみにかの有名なチェーンソーの仕様は後期版でも有効である。どこかで後期版ではできなくなった、という噂もあったが、試してみたらバラバラになったので間違いないはずである。パンチの威力維持は裏ワザではあるが、このゲームの仕様なので問題ないものととした。
条件は揃った。ではゲーム開始だ。ゲームボーイポケットでも良かったのだが、せっかく最近買ったしバックライトも付いているGBASPを使う。GBPもGBASPもシルバーである。バックライトのお陰で布団の中でもプレイができる。やったところで鼻の上にスマホが落ちてくるがごとく、GBASPと熱いキスをすることになるだけなのだが。私はゲーム機よりももっと柔らかいものとキスがしたいですね。
オープニングのあと主人公選択になる。ここでは条件3により「にんげんおとこ」を選ぶ。以下のようなキャラクターが選択できる
- にんげんおとこ
- にんげんおんな
- エスパーマン
- エスパーギャル
- おおハサミむし
- レッドブル
- ねずみおとこ
- ゾンビ
SaGa1は種族があり、人間、エスパー、モンスターの3つに分かれている。下4つはモンスターである。モンスターは戦った敵が落とす肉を食べて、別のモンスターに変身することで強くなる。エスパーは戦闘終了時にランダムで能力が上昇し、まれに特殊能力が得られ、それを使って戦うことができる。このやりこみとは関係ないので、未プレイで気になったら調べてみて欲しい。
さて、選択した人間。人間は戦闘しても一切強くもならないし、敵の落とした肉で変身したりすることもない。店で売っている能力アップアイテムでのみ成長する。ドラクエFFなどしかやったことがないとかなり不思議システムだと思う。実はSaGaの中でもこのSaGa1の人間システムは特殊である(これ以降に出てくる人間は戦闘によって成長する)。「金さえあれば強くなれる」というのが良くもあるし悪くもある。とはいえ今回は買うものはパンチしか無いので、最初さえ何とかなればあとはどうにでもなるのである。後半はむしろお金が余りすぎて困るほどだろう。まずはパンチを買い、残ったお金でステータスを上げていく、という流れになっていくだろう。
主人公は世界の中心にある、楽園へと通じると言われている塔を登ろうとする冒険者である。とされている。塔に登るためにはまずは仲間を入れる必要がある。ともに拳を握る仲間を。
メンバーは以下のようにした。
- モンド(主人公:にんげんおとこ):HP60/こうげき8/ぼうぎょ0/すばやさ4/まりょく0
- ヘーゼル(にんげんおとこ):40/7/0/3/0
- ピスタ(にんげんおんな):40/3/0/7/0
- クルミ(にんげんおんな):40/3/0/7/0
やり込み上は入れる仲間の性別は何でも良かったので半々にしている。結局能力を伸ばし始めれば同じになるので。名前はナッツである(アーモンド,ヘーゼルナッツ,ピスタチオ,胡桃)。深い意味は無い。
さあ、冒険の始まりだ。そして絶望と苦難の道のりの始まりだ。
参考資料:
次回へ続く。
初プレイでパンチのラス1強い。もったいなからボスで使おう。
新しく買ったパンチを使う 。あれ引き継いでね?
それ繰り返すと最終的にはすごいダメージでて相手からのダメージは痛いが神も普通に倒したなー。なんせパンチセット使えば使うだけダメージ上がるという仕様。